お米へのこだわり

神吉こしひかり
産地である神吉盆地は、標高350mの高原の盆地です。この、高原盆地と言う環境が美味しいお米の第一条件ですね。
実であるお米に養分が旨味として、溜まっていくには、昼と夜の気温の差が、絶対に必要なんです。
盆地ゆえに、夏場の最高気温は、30度を楽に超えますし、高原なんで、熱帯夜が存在しません。
稲は、日中に強い日光を浴び、光合成を繰り返して、旨味である養分を作り出し、夜間に温度が下がると、活動をとめて、生成された養分を実である米へ移すんです。

夜間の温度が25度を超える熱帯夜だと、稲は、十分に活動を止めないんで、養分がお米に向かわないんですね。
さらに、高原ゆえの害虫の少なさがあげられますね。
農薬らしい農薬は、8月中旬にラジコンヘリで散布されるイモチ病の予防と、カメムシなんかを駆除する効能があるアミスタートレボンSEという消毒+防虫剤を一回だけなんです。この薬剤は、散布後21日間で完全に分解され無力化するんでお米に残留することはありません。


神吉は、昔は沼だった場所を灌漑して稲作を行っています。
この点も、美味しいお米の必須条件ですね。
魚沼盆地も同様に、元々沼地だった所を灌漑されているんです。
なぜ、沼地が、美味しいお米のキーワードかといいますと、稲の根っこは、粘土質の場所でないと伸びていかないからなんです。
以前京都大学の地質学調査でボーリングされたことがあって、80m掘り進んでも粘土の層が続いている事がわかりました。
この、きめの細かい良質な粘土質のおかげで、長く伸びた根っこが、きめ細かい泥に溶け込んだ養分をじわじと吸収するので、肥料の効き具合もジワジワとゆっくり、継続的に効くので、稲の成長にもムラがありません

なんとなく世間では「残留農薬」については、神経質なのに「残留肥料」には関心が無いようです。

当店は、一番ここに拘っているんです。

施肥については、最適かつ、最低限でお願いしています。

収穫が終われば、刈り取った跡の株と脱穀の時に出た米ヌカを、土壌を有機化するラクトバチルスというバクテリアを主成分とした有機肥料とともに乾いたたんぼに鍬こんで(すきこんで)これらを肥料に含まれるバクテリアが分解して春を迎えます。
田植え前にシロシという作業がありまして、苗代(なえしろ)を仕上げるんですが、この時に再度ラクトバチルスを施肥します。これで田植えを行います。
そのあと施肥は、発穂が始まる8月の初旬の一月前、6月末~7月初旬に一度だけ行います。
この一月間は、稲の成長に最も肥料分を使う時期なんです。
大切なことは、充実した葉とそれを支える堅実な茎、長く太く伸びた健全な根っこを形成することで肥料分をきっちり使い切る

これが重要なんです。

昔は、発穂した後もガンガン窒素系肥料を追肥して、稲の葉や、茎、根っこが充分に成長しきった状態での施肥なんで、根から吸収された肥料分は、ダイレクトに実であるお米に蓄積されます。
単純に収穫重量のみをを増やす「実り肥え」が横行していました。
味より重さなんです。

これが、一番気になる「残留肥料」なんです。

苦い味のするお米って、肥料と言う名前の窒素化合物が残っているんです
なので「有機だから安心、大丈夫」じゃないんです。有機でも施肥の量が多すぎると、残留肥料としてお米の実の中に窒素化合物が残った苦いお米になってしまいます。

当店契約農家のお二人です。 
左が、松崎さん、右が、石橋さんです。
2002年からのお付き合いです。


有機肥料とは、肥料そのものが工業的に造った窒素化合物でないと言うことであって、肥料なんですから、窒素化合物には変わりはないんです。
当店のたんぼでは、発穂の段階で、肥料分は使いきられてますので、米粒に蓄積するのは根っこから吸収される養分ではなく、しっかり育った葉が光合成で造りだす養分だけが、旨味としてお米に溜まっていくようになっております。
葉っぱが光合成で作り出す養分のみで米粒がじわじわ均一に太っていくので、組織が緻密になります。なので、多すぎる水加減で炊飯しても絶対割れる事はありません。
しっかりした噛み応えさえも感じるお米なんです。噛みしめれば溢れ出す、芳醇な旨味を楽しんでください!

まだまだ、当店のこだわりはあるんですが、ハナシ、長くなるんで、この辺で^^

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